マーク・マンダース「Silent Studio」

昨年末、ギャラリー小柳にて開催されていたマーク・マンダースの個展「Silent Studio」を見に行った。

 

マーク・マンダースは2021年の東京都現代美術館で開催されていた「マーク・マンダースの不在」見て以来だ。

 

彼の作品は、私の立体物への憧れを刺激するような作品群で大好きだ。

 

平面作品では作り出せない物質の重厚感にワクワクさせられる。

マーク・マンダースという作家がどのような作品を作っているのかはざっくりとは知っていたが、詳しく知っているわけではない。

 

 

ChatGPTに聞いてみた。

 

 マーク・マンダース(Mark Manders)は、オランダ出身の現代アーティストで、彫刻やインスタレーションを中心に活動しています。1968年にオランダのフォルハウトで生まれ、アムステルダムのヘリット・リートフェルト・アカデミーで学びました。彼の作品は、詩的でありながらも深い哲学的思索を含み、静謐で内省的な雰囲気を持つ点が特徴です。

 

主な特徴とテーマ

  1. 「自己の架空の存在」
    マンダースの作品は、しばしば「架空の自己」や「架空のアーティストのアトリエ」というテーマに基づいています。これを彼自身は「自己肖像画」と呼びますが、通常の自己表現ではなく、抽象的かつ非個人的な形で展開されています。彼の作品群全体が一つの巨大なインスタレーションのような構造を持っています。

  2. 時間性と永続性
    マンダースの作品は、時間が静止したかのような感覚を与えます。壊れかけた彫刻や未完成のオブジェクトが多く、過去・現在・未来が交錯するような構成が特徴です。

  3. 素材のユニークな扱い
    木材、金属、ブロンズ、陶器など多様な素材を使用しますが、ブロンズ彫刻を粘土のように見せるなど、視覚的トリックを巧みに用いる点が注目されます。これにより、素材の本質や物質性に関する問いを観る者に投げかけます。

代表的な展示

  • 「マーク・マンダースの不在」
    2021年、東京都現代美術館で開催。マンダースの代表作を含む大規模な回顧展で、日本の観客に彼の芸術世界を伝えました。

  • ヴェネツィア・ビエンナーレ
    2013年、オランダ館代表として参加。彼の象徴的な彫刻作品が国際的な注目を集めました。

影響と評価

マンダースの作品は、言語や記号、物質の特性を探求しながら、観る者の感覚や想像力を刺激します。彼の作品は、詩的で瞑想的な体験を提供する一方で、人間の存在や記憶、時間の本質について深く考えさせられるものです。

美術館やギャラリーでの展示のほか、世界中の重要なコレクションにも収蔵されており、現代アート界で高く評価されています。 

 

 

...とのこと。

 

確かに調べて出てくるステートメントや作品説明をざっくりとまとめるとこんな感じだ。

 

今回見に行った「Silent Studio」も「建物としてのセルフポートレイト」というコンセプトで構成されていた。

 

ギャラリー内に「想像上の」部屋を作っていた。

 

空間全体を覆うビニール、制作途中のような乾燥でひび割れた作品、床に転がる制作素材らしき物、壁に貼られる制作資料のような印刷物は確かに「どこかに存在するであろう作家のスタジオ」を再現していた。

 

マーク・マンダースに対して、勝手に彫刻の作家というイメージを抱いていたが、どちらかというとインスタレーションの作家だったのか。なるほど。

 

というか、マーク・マンダースという作家もまた架空の芸術家として描かれているということも今回のリサーチで初めて知ったけど、それってつまり作家本人の中で「マーク・マンダースっていう作家はこんな人物でこんな作品を作っていて、、」ていう設定があって、それを空間を使って再現しているってこと?

 

めちゃくちゃ面白いんだけど。

 

マーク・マンダース本人がマーク・マンダースという作家像を空想する姿が、なんだか「妄想していた作家ドリームを作品にしちゃえば良いじゃん!」っていう遊び心を感じる。そういう解釈で合っているのかまだ分かっていないが。


2025年1月4日:追記

 

NeoLというインターネットメディアで2021年1月21日に掲載されている記事、東京都現代美術館「マーク・マンダース ―マーク・マンダースの不在」

 

「マーク・マンダース」という人物の自画像を「建物」の枠組みを用いて構築するというもの。

 

と説明していて、それがすごく分かりやすい。

 

マーク・マンダースという作家像を空間で表現し、それを自画像としていることがすごくユニークだってこと私も言いたかった。

 

ライターさんは言語化上手だなぁ。